中道歯科医院:お知らせ

2010年5月24日
平成22年1月 院長のマンスリートーク ◆歯科の適正医療費は4兆円

◆歯科の適正医療費は4兆円


 歯科医療崩壊の要因として第一に上げられるベきは、歯科に対しての非常に厳しい診療報酬改定である。昭和56年から平成9年の16年間の診療報酬改定累積値は医科が48.9%、歯科が23.4%であることがそれを如実に示している。歯科医療は労働集約的な医療であり、医科と比較して投薬が占める割合は非常に低い。薬価の引き下げは医科の診療報酬引き上げの原資となったが、歯科はその恩恵はほとんど受けられず、診療報酬の改定率が医科に比較して非常に低い原因となった。

 これまでに発表されたタイムスタディ調査、国民所得、賃金指数、消費者物価指数等を参考に保存修復および欠損補綴を中心に適正点数を試算し、社会医療診療行為別調査を使用して年間の適正歯科医療費を計算したところ、4兆18億円であった。また、原価計算が適切に行われていると考えられる医科を基準に歯科適正医療費を試算した。昭和27年〜56年の医科無床診療所の保険収入の医科と歯科の比率(医科の82%が歯科の保険収入)を平成l9年の医科無床診療所の保険収入600万円に掛け合わせたところ、492万円となった。492万円に12を掛けて年間の収入として、さらに歯科診療所数67,798(平成19年)を乗じて適正歯科医療費を計算したところ4兆27億9,392万円となった。

 このままでは国民に質の高い歯科医療を提供できなくなる。
(詳細は、日本歯科評論2009年11月号 ■緊急提言 歯科の適正医療費は4兆円!−質の高い安心な歯科医療を国民に提供し続けるために という東京医科歯科大学新田浩先生との共著の論文を見てください。別冊をご希望の方は、ご一報ください。)