中道歯科医院|富山市高木 むし歯 歯周病 入れ歯 訪問診療 小児歯科 英語対応可 Availble language:Einglish,Department of Dentistry,ToyamaCity

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中道歯科医院
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2024年5月27日
令和6年5月院長のマンスリ−ト−ク ◆昭和40年代の歯科医療−⑤昭和45年の歯科診療報酬改定の検証
◆昭和40年代の歯科医療−⑤昭和45年の歯科診療報酬改定の検証

 昭和45年2月の社会保険歯科診療報酬改定の改定率は9.73%であったが、その改定内容を精査する。

 前回の昭和42年改定は医科では手術料が約80%が引き上げられたが、歯科では、なぜか昭和45年に手術料の約80%の引き上げが行われた。そのため、点数間のアンバランスが顕著となってきた。歯冠修復及び欠損補綴の点数は、ほとんどが据え置きかマイナスとなり、前回に続きひどい目にあわされ、その低評価状態は半世紀以上続いている。

 昭和45年の社会保険歯科診療報酬点数表で点数の変化をあげると

◎診察料では、

・初診時基本診療料      30点→32点 +2点

・再診料(単に診察を行った場合のみ)  5点が新設

◎処置料(歯牙疾患の処置)では、

・普通処置               6点は変わらず

・歯髄覆罩        6点が新設

・根管拡大(1根)      5点が新設

・抜髄(単根管)       14点→20点 +6点

 抜髄(2根管)       16点→25点 +9点

 抜髄(3根管)       16点→30点 +14点

・歯髄切断(失活)       14点→20点 +6点

・歯髄切断(生活)       単32点、 複34点が統合されて70点

          未完成根の加算が7点→10点

・根管充填(単根管)      13点→16点 +3点

 根管充填(2根管)      15点→18点 +3点

 根管充填(3根管)      15点→20点 +5点

・直抜即時根充(単根管)     39点→80点 +41点

 直抜即時根充(2根管)     45点→90点 +45点

 直抜即時根充(3根管)     45点→100点+55点

・失活抜髄即日根充(単根管)    33点→42点 +9点

 失活抜髄即日根充(2根管)    39点→51点 +12点

 失活抜髄即日根充(3根管)    39点→60点 +21点

・即日充填処置             40点の新設

・歯肉圧排               6点の新設

・歯石除去(1顎1回につき)    15点→1/3顎簡単10点、 1/3顎複雑30点

・盲嚢掻爬(簡単)       15点→1/3顎30点

 盲嚢掻爬(複雑)       50点→1/3顎90点

・歯槽膿漏処置             6点は変わらず

・歯冠修復物又は補綴物の除去(1歯につき) 7点→簡単7点、 困難15点

・歯冠修復物又は補綴物の調整(1歯につき) 4点は変わらず

◎手術では、

・抜歯術(1歯につき)

  1.乳歯              17点→31点 +14点

  2.前歯              17点→31点 +14点

  3.臼歯              25点→45点 +20点

  4.難抜歯(埋伏歯、 歯根肥大、 骨の癒着歯等に対する骨の開さく又は歯根分離術)

                    85点→150点 +65点

     埋伏智歯については、加算点数が36点→65点 +29点

 (表1)


・抜歯窩再掻爬手術           22点→40点 +18点

・歯槽骨整形術、骨瘤除去術

  1.前歯        14点→25点 +11点

  2.臼歯        23点→41点 +18点

・腐骨除去術

  1.簡単なもの       23点→41点 +18点

  2.複雑なもの(顎骨の片側の3分の1以上にわたるもの) 320点→580点 +260点

・歯槽堤形成手術        290点→520点 +230点

・口腔内消炎手術

  1.歯齦膿瘍、骨膜下膿瘍若しくは口蓋膿瘍の切開又は智歯周囲炎の歯齦弁切除等

               22点→40点 +18点

  2.骨髄炎又は顎骨骨炎等    24点→43点 +19点

・口腔外消炎手術

  1.2センチメ−トル未満のもの   22点→40点 +18点

  2.5センチメ−トル未満のもの   30点→54点 +24点

  3.5センチメ−トル以上のもの   38点→68点 +30点

・歯肉息肉除去手術           22点→40点 +18点

・顎骨腫瘍手術(歯根嚢腫、 濾泡性歯牙嚢腫、歯齦腫等) 340点は変わらず

・歯根嚢胞摘出手術

   歯冠大        130点は変わらず

   拇指頭大       340点は変わらず

・歯槽骨骨折手術

   1歯乃至2歯の範囲     70点→130点 +60点

   3歯乃至5歯の範囲     150点→270点 +120点

・顎骨骨折手術(縫合手術を含む)    580点は変わらず

・歯根端切除手術        120点→240点 +120点

・歯槽膿漏の手術

  1.歯肉切除術(1回につき)   100点→180点 +80点

  2.歯肉剥離掻爬手術(1回につき)  150点→270点 +120点

  3.暫間固定術       70点→130点 +60点

  4.監視               7点は変わらず

・下顎骨脱臼整復術        43点は変わらず

◎麻酔料では、

・伝達麻酔

   下顎孔又は眼窩下孔にするもの    8点→14点 +6点

・浸潤麻酔                4点→7点  +3点

◎ 歯冠修復および欠損補綴料では、

・銀錫アマルガム(1窩洞につき)     20点+材料は変わらず

・燐酸セメント(1窩洞につき)      10点+材料は変わらず

・硅酸セメント(1窩洞につき)      21点+材料は変わらず

・レジン(1窩洞につき)         28点+材料は変わらず

・鋳造歯冠修復(14金・金パラ・その他合金) 1個につき60点→50点 −10点

・帯環金属冠

  1.嚼面圧印冠(金パラ・その他の金属)   80点+材料→70点+材料 −10点

  2.嚼面鋳造充実冠(金パラ・その他の金属) 100点+材料→90点+材料 −10点

・208 歯冠継続歯

  1.14K裏装          100点+材料→90点+材料 −10点

  2.その他の合金裏装      100点+材料→90点+材料 −10点

  3.陶歯冠            70点+材料→60点+材料 −10点

  4.レジン冠           70点+材料→60点+材料 −10点

  5.金パラ裏装         100点+材料→90点+材料 −10点

・ジャケット冠            70点+材料→110点+材料 +40点

 (表2)


・支台築造

  1.燐酸セメント         12、42点→12、32点

  2.銀錫アマルガム         32点→33点  +1点

  3.その他の合金          48点→50点  +2点

・生活歯歯冠形成            50点の新設

・失PZ             40点+材料→30点+材料 −10点

・局部義歯(1床につき)

  1.1歯より4歯まで     110点+材料→100点+材料 −10点

  2.5歯より8歯まで     140点+材料→130点+材料 −10点

  3.9歯より11歯まで     170点+材料→160点+材料 −10点

  4.12歯より14歯まで     200点+材料→190点+材料 −10点

   遊離端義歯又は複合義歯は所定点数に35点を加算する−変わらず

・総義歯(1顎につき)       350点+材料→340点+材料 −10点

・鋳造鉤(1個につき)       70点+材料は変わらず

・線鉤(1個につき)

  1.双歯鉤          30点+材料は変わらず

  2.両翼鉤(レストつき)    25点+材料は変わらず

  3.レストのないもの     22点+材料は変わらず

・フック,スパ−         21点+材料は変わらず

・ろう着              5点は変わらず

・バ−(1個につき)

  1.鋳造バ−         110点+材料は変わらず

  2.屈曲バ−         55点+材料は変わらず

・ダミ−

  1.前歯部

   イ.裏装有り(14K、金パラ、その他の合金) 110点+材料は変わらず

   ロ.裏装無し(その他の合金)       80点+材料は変わらず

  2.臼歯部

   イ.金銀パラジウム合金裏装又は鋳造ダミ− 110点+材料は変わらず

   ロ.その他の合金裏装又は鋳造ダミ−    110点+材料は変わらず

・口蓋補てつ,顎補てつ(1顎につき)

  1.床の印象採得が簡単なもの        60点→110点 +50点

  2.床の印象採得が困難なもの        120点→200点 +80点

  3.床の印象採得が著しく困難なもの     500点→800点 +300点

・印象採得 歯冠修復       10点の新設

      欠損補綴       簡単20点は変わらず

                 複雑50点と著しく困難100点が新設

・スタディモデル         38点→50点 +12点

・暫間被覆冠           6点→7点  +1点

・有床義歯修理         65点は変わらず

・帯環金属冠修理(1個につき)

  1.金合金冠         34点→50点   +16点

  2.その他の金属冠      24点→30点   + 6点

・金合金鉤修理(1個につき)    28点→40点   +12点

・歯冠継続歯修理(1歯につき)   55点は変わらず

・装着 歯冠修復         6点→再6点+材料と新8点+材料に

    ブリッジと有床義歯    20点新設

    口蓋補綴・顎補綴     困難50点、著しく困難100点が新設

・補てつ隙            5点は変わらず

・臼歯金属歯(1歯につき)     5点は変わらず

 (表3)


(総括)
 +10%以上の引き上げであれば、ほとんどの診療項目で技術料が1割以上上がることは、本年1月のマンスリ−ト−クで見たところであるが、前回見たように昭和42年改正は、金属の高騰に目を奪われて、とんでもなくひどい内容になっていた。
 昭和45年は、 日本の歯科の歴史の中で1歯科診療所の患者数が1日平均45人と最も多い時代であり、 歯科診療所に行っても、 まともな治療がしてもらえないという苦情が多く寄せられていた。
 そこで、 厚生省は1日で治療を終わらせる即日充填処置(40点)を新設し、普通処置からの移行を図ったことにより、 普通処置が1/3になった。 手術の80%引き上げが、今回に回され、歯内療法での根管拡大の新設や抜髄や即時根充の大幅点数引き上げや歯周治療での歯石除去や盲嚢掻爬の再編で大幅に点数が伸びたのに対し、歯冠修復および欠損補綴は冷遇された。
 歯冠修復および欠損補歯冠修復および欠損補綴綴では、生活歯歯冠形成や歯冠修復の印象採得やブリッジや有床義歯の装着が新設されたとはいえ、鋳造歯冠修復や有床義歯、帯環金属冠、歯冠継続歯では−10点で、 充填や鉤、 バ−、ダミ−の点数は据え置かれた。頻度が増えている歯冠修復および欠損補綴が恣意的に抑えつけられてきた。
 点数の原価計算方式による改定の原則を無視する、厚生官僚の「勘」と「度胸」のなせる技で、日本の歯科医療の「歯冠修復および欠損補綴」は前回と今回の2回の改定で完全に死んだ。公定価格を決める上であってはならないことである。

   


当院の特徴紹介
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院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
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