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2023年6月26日
令和5年6月院長のマンスリ−ト−ク ◆昭和30年代の歯科医療−④空転した中医協の改組
令和5年6月院長のマンスリ−ト−ク ◆昭和30年代の歯科医療−④空転した中医協の改組

 中医協は、厚生相が日本病院協会推薦の委員を医療担当者の代表委員に任命したことから、日本医師会が委員を引き上げたため、昭和34年6月以降2年間は事実上機能できない状態にあったので、早急に中医協問題を解決することが必要であった。

 このため、厚生省は昭和36年2月8日、社会保障制度審議会に対し、社会保険等の適正な診療報酬を定めるための採るべき方途について試問し、同審議会は同年3月1日、次のような答申を行った。

1.現行診療報酬支払制度についてはこの際、何よりさきに、診療報酬問題を解決するために、内閣に適正な診療報酬算定のル−ルを確立し、及びそのために必要な調査を行う中立的な機関として、医療報酬調査委員会を設け、厚生大臣は、この委員会の結論に基づいて診療報酬の案を定め、これを中医協に諮問し、その意見に基づいて決定することが適当であること。

2.医療報酬調査委員会については、少数の学識経験者をもって構成し、事務局を付置し、調査権を付与し、科学的、技術的、専門的に検討するとともに、関係団体の意見が十分反映され、かつ、国民全体に納得される結論が得られるよう配慮することとする。その任務は、広く一般に、適正な診療報酬の観念、その構成要素及びその計算方法方法の確立並びにそのために必要な資料の正確な整備を図ることにある。この委員会はさしあたって、臨時的機関として早急に発足させ、一定の期限を付してその意見を求めることとし、必要に応じて、これを恒久的な機関に改組することを考慮すること。

3.中医協についてはその運営の円滑化を図るため、速やかに改組して、保険者、被保険者、事業主を代表する者数名、医師、歯科医師、薬剤師を代表する者数名及び学識経験者数名によって構成すること。この場合、経営と監督の分離ができるまでの間、厚生省保険局は、保険者代表から遠慮することが望ましいこと。委員の選任は、審議の運営を円滑ならしめるような方途によって、厚生大臣がこれを行うものとすること。

 また、中医協は、健康保険、共済組合、船員保険、日雇労働者健康保険、国民健康保険等における適正な診療報酬等に関する事項を審議し療養担当者の保険診療に対する、指導監督に関する事項には触れないこととする。なお、医学的、専門的事項は、学会や専門委員に聞くこととすること。厚生省はこの答申に基づき、中医協を改組するとともに、中立的な医療報酬調査委員会を設置するという方針を決定した。委員の構成については、従来、(1)健康保険、船員保険及び国民健康保険の保険者並びに被保険者、事業主及び船舶所有者を代表する委員、(2)医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員、(3)公益を代表する委員のそれぞれにつき委員の数は、一律8名であったものを8、8、4に改め、公益委員の数を半減させた。また、地方社会保険医療協議会の所掌事務のうち、療養担当者の保険診療に対する指導監督に関する事項を除き、その構成を中医協と同様にした。

 紆余曲折を経て、昭和37年7月に就任した西村厚生相が各側と折衝し、臨時医療報酬調査会に代わり医療費基本問題研究員制度を設けることで新中医協発足問題は解決をみた。

 中医協(中央社会医療協議会)は、健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議する厚生労働大臣の諮問機関であり、厚生労働省設置法第6条第2項(別に法律で定めるところにより厚生労働省に置かれる審議会で厚生労働省に置かれるもの)と社会保険医療協議会法第1条第1項(厚生労働省に、中央社会保険医療協議会を置く)の規定により厚生労働省に設置されている。

 健康保険法第76条(療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする)によれば、保険診療は公定価格制であり、厚生労働大臣に価格決定権があるが、その診療報酬改定の際には、厚生労働大臣は中央社会保険医療協議会に諮問しなければならない(同82条)ことになっている。

 日本の医療保険制度は、昭和2(1927)年の健康保険法施行に溯る。当初は、日本の診療報酬は政府が統制しており、支払側と診療側との契約によって決定されていた。昭和18(1943)年には、日本医師会、健康保険組合連合会、国民健康保険組合など、関係団体話し合い厚生大臣が決定する仕組みに変わり、翌年、学識経験者も含めた「社会保険診療報酬算定協議会」が設置された。そして、昭和25(1950)年に、保険診療の指導・監督を行う「社会保険診療協議会」と統合する形で、「中央社会保険医療協議会(中医協)」が誕生した。

 中医協は、昭和18(1943)年から昭和40(1965)年までの諮問方式期では、一定の算定方式に基づき、診療報酬改定率も決定していた。しかし、建議方式期の不安定な時期を境として、昭和49(1974)年の諮問方式への変更によって、中医協は総枠の改定率を決定せず、中医協の外で非公式に政治的に決定されるようになり、中医協は、中医協の外で決定された改定率の配分のみを決定する機関となった(表)。





 診療報酬改定分を予算化する必要が生じてきたことが政治的決定のウェイトを増加させ、スライド制単純化の過程と改定分の予算化の導入が医療費抑制策を可能にしたのである。
このように歴史的に中医協の機能は大きく変化していく。
日本医師会長だった武見太郎は著書の中で、中医協のことを次のように書いている。

 「中央社会保険医療協議会という所は、医師の診療報酬を上げたり下げたり、自由にする権限を法律で保障されている。恐るべき独裁機関だと私は思っている。もし、一人でこれをやったら、非民主的として批判をうけるはずだが、何人かの委員でやれば民主的だということになるから不思議なものだ。殊に、支払側と称する労組の兄ちゃんや、集金人にすぎない保険屋さんが入ると、一号側委員と称して上座に置かれるのだから、なおわけがわからなくなる。

中立委員というのは学識経験者と言われる人々だが、少なくとも医療に関しては非学識未経験者でなければ、この座にすわれないことになっている。要するに、民主的というのは、筋の通らない、本質的に物を考えさせないで、井戸端会議をやらせることらしい。私はそう判断している。

中医協の支配者は保険官僚である。勿論、委員ではないから覆面の助言者である。公益案の作者は、この助言者群の課長補佐から係長クラスである。」



参考文献:厚生省五十年史編集委員会:厚生省五十年史,厚生問題研究会,1988.

西村万里子:診療報酬改定のメカニズムに関する歴史的考察−医療費の規定要因,医療保障と医療費,東京大学出版会,1996.

武見太郎:寸鉄醫言.日本医事新報社出版局,1972.


   


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