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中道歯科医院
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2022年5月23日
令和4年5月院長のマンスリートーク ◆昭和20年代の歯科医療−③インフレーションによる医療費増
令和4年5月院長のマンスリートーク ◆昭和20年代の歯科医療−③インフレーションによる医療費増

 前回、昭和22年4月に第1回の歯科医師国家試験が実施されたことを書いたが、保存学の記述式の問題は以下のようなものであった。

1.ブラック氏剔削用器械(Cutting instruments)の把柄に記入してある数字は何を意味 するか例を挙げて説明せよ
2.所謂軟化象牙質はどうして形成されるか,これを病理学的に説明せよ
3.隣接面に発生した初期齲蝕はどうしてこれを発見するか
4.抜髄はどういう場合に行ってよいか,そして何の目的で行うのか
5.第二象牙質はどういう場合に形成されるか
6.各永久歯の根端完成の時期について述べよ
7.ラバーダム防湿法にはどんな利点があるか
8.根管充填剤としてはどんな性状のものを選べばよいか
9.接触点の恢復が正しくないとどんな障害が起るか
10.金箔充填にはどんな特徴があるか

 また、口腔外科では
1.歯牙に分布する神経は何神経の何枝かその名称を挙げよ
2.下顎骨骨折の好発部位を列挙しその共通点の症状を述べよ
3.先天性黴毒の徴候を述べよ
4.放線状菌症の診断を確定するには何を証明すれば良いか
5.抜歯時に主として用いられる麻酔薬の名称並びにそれを使用する場合の濃度を述べよ
6.顎骨骨疽の診断及び処置を述べよ
7.肉牙組織について述べよ
8.歯系顎骨腫瘍の二つを挙げその主な組織学的所見を述べよ
9.根端切除術の適応症を列挙せよ
10. 三叉神経痛の三圧痛点(ヴァレー氏三圧痛点)を示せ
というようなものであった。

 なお、第1回と2回の歯科医師国家試験は臨床のみで行われ、基礎の問題が加わったのは第3回以降であった。
 終戦直後は社会秩序も乱れ、極度の食糧難と生活苦に加え、激しいインフレーションにより通貨価値は下落した。インフレーションは医療費の自己負担を困難にし、保険利用者が急激に増え、診療所の経営の大半は保険収入に依存するようになり、わが国の医療は実質的に保険診療へと移行していった。
 保険医療者(一部負担を含む)の割合は以下のように推移した。

  保険を利用したもの 全額自費
昭和23年 51.8% 48.2%
昭和24年 67.8% 32.2%
昭和25年 73.7% 26.3%
昭和27年 74.5% 25.5%
昭和28年 76.4% 23.6%

 これを、政府管掌健康保険の受診率(被保険者1,000人当たりの受診件数)でみると
昭和22年 1.46
昭和23年 1.97
昭和24年 4.49
昭和25年 5.49
と上昇し、保険経済を苦しくしていった。

 国民医療費の総額は
昭和24年 1,133億円
昭和25年 1,153億円
昭和26年 1,162億円
昭和27年 1,539億円
昭和28年 2,053億円
昭和29年 2,281億円

 昭和24年度には31億円の赤字が推定されるに至ったため、政府は保険料率の引き上げ、標準報酬の枠の拡大、一時の借り入れ等によりなんとか乗り切れたが、その後も赤字が続いた。
 当初、10銭に定められた1点単価もインフレーションの昂進によって、漸次高騰した。全国一律的であった単価も、その不合理性のため甲地、乙地、丙地等の地域別が設けられた。昭和22年の初頭、かねて要望されていた社会保険診療報酬算定方法の民主化が実現し、従来あった中央の社会保険診療報酬算定協議会は、保険者代表、被保険者及び事業主代表、診療担当者代表並びに学識経験者等公益代表を網羅した協議会に組織替えされ、診療報酬額の標準を決めることとなった。各都道府県にも中央協議会と同様な組織が置かれた。
 1点単価は戦後、下記のように推移した。

昭和20年2月〜昭和20年9月 甲地 13銭
  乙地  12銭
  丙地 11銭
(甲地とは6大都市、乙地とはその他の市制施行地、丙地はその他の町村)

昭和20年10月〜昭和21年3月 標準 35銭
昭和21年4月〜昭和21年12月 甲地 1.50円
  乙地 1.30円
  丙地 1.00円
(甲地とは6大都市、乙地とはその他の市制施行地、丙地はその他の町村)

昭和22年1月〜昭和22年3月標準 2.50円
(乙地においては2.50円を標準として甲地、乙地においては地域差並びに地方の事情を考慮して定める)

昭和22年4月〜昭和22年8月 標準 3.00円
昭和22年9月〜昭和23年2月 標準 4.00円
(4.00円を標準として地方の事情を考慮して各都道府県毎に定める。なお、国民健康保険については1点の単価やその施行期日を別に定める)

昭和23年3月〜昭和23年7月 標準 6.00円
昭和23年10月〜昭和24年3月 甲地 11.00円
  乙地 10.00円
  丙地 9.00円
(甲地とは6大都市、乙地とはその他の市制施行地、丙地はその他の町村。国民健康 保険については保険者と療養担当者が協議し定め、都道府県知事の許可を得て実施)
   


当院の特徴紹介
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院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
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