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2021年10月25日
令和3年10月院長のマンスリートーク◆戦前の健康保険歯科診療−⑦国民健康保険法の成立
令和3年10月院長のマンスリートーク◆戦前の健康保険歯科診療−⑦国民健康保険法の成立

 昭和4年にはじまった世界恐慌は日本にも押し寄せ、失業者が増大し、不景気のどん底に国民をおいた。特に、農村においては農業恐慌によって農業の生活難は深刻なものがあり、農村救済の手段として社会保険を利用することが企画された。
 戦前の国民健康保険法は、農業恐慌に対処する救農運動の一環として昭和8年頃から具体化されてきたものであり、9年7月に内務省が国民健康保険制度要綱を発表して世論に問い、ついで同要綱案を社会保険調査会に諮問し、10年12月に答申された。
 紆余曲折はあったものの、国民健康保険法は昭和13年1月に発足した厚生省の保険院から第73回帝国議会に法案が提出され、4月1日に成立し、7月1日から施行されることとなった。
 同法は農業恐慌の余波を受け疲弊していた農山漁民の医療費の重圧を除き、衛生状態の劣悪であった農山漁村に医療を普及させる重要な足掛かりを築いただけでなく、疾病保険を広く国民全般に及ぼす緒を開いた。当時の国防力拡充の情勢とも関連し、国民健康保険は農村対策から国民体位の向上へと転化され、その後の戦時下において大きく展開することとなった。
 国民保険制度は地域保険であるところに健康保険と大きく異なる特徴があり、その骨子は、①任意設立主義を採り、市町村ごとに普通国民健康保険組合を作って保険を担当せしめ、②その地域内の世帯主を組合員、組合員及び組合員の世帯に属する者を被保険者として任意加入主義を採用し、③法定給付として療養の給付、任意給付として助産の給付、葬祭の給付、哺育上の手当等を行い、療養の給付については一部負担を課すものとし、④保険料は組合員の資力を標準に定め、⑤組合の機関として組合会及び理事をおいてその管理を行わせしめ、⑥診療は組合と医師又は薬剤師の締結する契約によって行うこと等であった。
 日本歯科医師会は昭和13年7月4日、全国道府県歯科医師会長を招集し「組合の設立及び管理、組合に対する交渉及び契約、歯科医療給付の範囲及び治療方針、歯科診療報酬、帳簿書類の閲覧、指定歯科医師の処分」等の問題につき種々意見を交換するとともに協議を行った。その後、日本歯科医師会において協議会における申し合わせ事項に基づき保険院当局と度々折衝を重ねた結果、歯科診療取り扱い指針に関する件、歯科診療契約に関する件、組合との契約に関する件、契約書案参考点数表等を決定通知した。
 昭和14年10月28日現在で国民健康保険組合として認可されたものは328であったが、歯科診療の契約をしている組合数は道府県歯科医師会から日本歯科医師会に報告のあったものは89組合とその数が少なかった(しかし、社会保険局の調査によると281組合が歯科の契約をしているという結果であった)。また、歯科診療参考点数表に準じてやっているところが健康保険組合89中31、健康保険の点数表によってやっているところが89中58であった。事務費の問題から契約履行が困難に陥る場合も多々あったようである。
 昭和15年9月末、社会保険局において調査した698組合中、歯科診療を契約する組合数は323、契約率46%強と半数以下であった。国民健康保険組合は、その組合の経済が極めて豊富でないために歯科診療の契約ができない状態にあるものが相当に多かった。
 昭和13年から16年までの国民健康保険組合の普及状況は以下の表の通りである。

 国民健康保険が成立した翌年の昭和14年に職員健康保険と船員保険が制定された。職域健康保険は給料生活者や商店使用人等のための健康保険であった。常時10人以上を使用する販売、金融、保険、保管、賃貸等の事業に使用されている者を強制被保険者とした。これは工場鉱山における健康保険と農山漁村における国民健康保険との間にあって放置されていた分野である。
 なお、昭和十三年度と十四年度の政府管掌と組合管掌の健康保険歯科診療の契約は以下の通りであった。
【政府管掌】
受診率
昭和十三年度1.91%
昭和十四年度1.84%
平均一点単価
昭和十三年度9銭837
昭和十四年度10銭054
被保険者一人当たり診療費年額
昭和十三年度77銭04厘
昭和十四年度77銭88厘
受診被保険者一人当たり診療費年額
昭和十三年度40円20銭
昭和十四年度42円24銭
保険歯科医一人当たり診療報酬年額
昭和十三年度147円00銭
昭和十四年度159円24銭
診療に従事したる保険歯科医一人当たり診療報酬年額
昭和十三年度267円24銭
昭和十四年度284円76銭

【組合管掌】
受診率
昭和十三年度1.47%
昭和十四年度1.84%
被保険者一人当たり診療費年額
昭和十三年度56銭28厘
昭和十四年度59銭88厘
受診被保険者一人当たり診療費年額
昭和十三年度38円16銭
昭和十四年度37円32銭
保険歯科医一人当たり診療報酬年額
昭和十三年度47円16銭
昭和十四年度55円08銭
診療に従事したる保険歯科医一人当たり診療報酬年額
昭和十三年度161円16銭
昭和十四年度163円32銭

   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
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