9月26日厚労省保険局調査課から平成30年の概算医療費が発表された。労災や全額自費は含まれないもので、医療費の約98%を示す値である。医療費の総額は42兆5,713億円で医科計31兆8,638億円(入院17兆3,044億円、入院外14兆5,594億円)、歯科2兆9,712億円、調剤7兆4,746億円、訪問看護療養2,618億円であった。医療費の伸び率(対前年度比)は総計0.8%で、内訳は医科計1.5%(入院2.0%、入院外1.0%)、歯科1.9%、調剤▲3.1%、訪問看護療養17.0%となっていた。歯科医療費の伸び率(対前年度比)を細かくみると、受診延日数の伸び率は▲0.1%であったものの、1日当たり医療費の伸び率は2.1%と大きかった。平成31(令和元)年には歯科医療費3兆円を超えることが確実になった。ところで、消費増税に伴う10月の診療報酬改定については、昨年の12月17日の予算大臣折衝を踏まえ、以下のとおりに決まっていた。
消費税3%導入時の改定率は0.32%、3%→5%に上がった時が0.43%、5%→8%に上がった時が0.87%であったので、今回の0.57%はまあまあのアップ率と思われる。 前回同様、財源のほとんどが初診料、再診料に配分された。具体的には、
平成30年の頻度表で計算すると、初診料のアップによる影響率は+0.38%、再診料のアップによる影響率は+0.32%、歯科訪問診療料のアップによる影響率は+0.10%で合計すると+0.71%となった。公表されているものより実際は多いようだ。 今回、金銀パラジウム合金材料価格もアップされた。 006歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金12%以上JIS適合品) 1g 1,458円→1,675円 歯科鋳造用金銀パラジウム合金のアップによる影響率は+0.71%となり、初再診料の影響率とほぼ同じで合算すると+1.51%(平均年間60万の増収)と結構大きい。しかし、金銀パラジウム合金材料価格がアップしても逆ザヤ状態は解消されていない(30g58,000円)。 歯科鋳造用金銀パラジウム合金のアップによる影響率の計算式は以下のようになる。 さらに、12月から新規の材料が保険導入されることが発表された。ハイブリットコ−トⅡである。象牙細管の封鎖又は歯質と修復物、補綴物等との界面の封鎖(生活歯の歯冠形成)を行った場合30点が算定できる。これのプラス影響も多い(最大+0.04%、12億円)。
日本歯科医師会
富山県歯科医師会
富山市歯科医師会
9月26日厚労省保険局調査課から平成30年の概算医療費が発表された。労災や全額自費は含まれないもので、医療費の約98%を示す値である。
医療費の総額は42兆5,713億円で医科計31兆8,638億円(入院17兆3,044億円、入院外14兆5,594億円)、歯科2兆9,712億円、調剤7兆4,746億円、訪問看護療養2,618億円であった。
医療費の伸び率(対前年度比)は総計0.8%で、内訳は医科計1.5%(入院2.0%、入院外1.0%)、歯科1.9%、調剤▲3.1%、訪問看護療養17.0%となっていた。
歯科医療費の伸び率(対前年度比)を細かくみると、受診延日数の伸び率は▲0.1%であったものの、1日当たり医療費の伸び率は2.1%と大きかった。平成31(令和元)年には歯科医療費3兆円を超えることが確実になった。
ところで、消費増税に伴う10月の診療報酬改定については、昨年の12月17日の予算大臣折衝を踏まえ、以下のとおりに決まっていた。
(2019年10月実施)
(2019年10月実施)
※うち、消費税対応分+0.42%
※うち、消費税対応分+0.06%
消費税3%導入時の改定率は0.32%、3%→5%に上がった時が0.43%、5%→8%に上がった時が0.87%であったので、今回の0.57%はまあまあのアップ率と思われる。
前回同様、財源のほとんどが初診料、再診料に配分された。具体的には、
平成30年の頻度表で計算すると、初診料のアップによる影響率は+0.38%、再診料のアップによる影響率は+0.32%、歯科訪問診療料のアップによる影響率は+0.10%で合計すると+0.71%となった。公表されているものより実際は多いようだ。
今回、金銀パラジウム合金材料価格もアップされた。
006歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金12%以上JIS適合品) 1g 1,458円→1,675円
歯科鋳造用金銀パラジウム合金のアップによる影響率は+0.71%となり、初再診料の影響率とほぼ同じで合算すると+1.51%(平均年間60万の増収)と結構大きい。しかし、金銀パラジウム合金材料価格がアップしても逆ザヤ状態は解消されていない(30g58,000円)。
歯科鋳造用金銀パラジウム合金のアップによる影響率の計算式は以下のようになる。
さらに、12月から新規の材料が保険導入されることが発表された。ハイブリットコ−トⅡである。象牙細管の封鎖又は歯質と修復物、補綴物等との界面の封鎖(生活歯の歯冠形成)を行った場合30点が算定できる。これのプラス影響も多い(最大+0.04%、12億円)。