中道歯科医院|富山市高木 むし歯 歯周病 入れ歯 訪問診療 小児歯科 英語対応可 Availble language:Einglish,Department of Dentistry,ToyamaCity

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中道歯科医院
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2011年2月7日
平成23年2月院長のマンスリートーク ◆連載を終えるにあたり
連載を終えるにあたり
長く続けてきた、日本歯科評論の執筆を終了することとした。歯科を取り巻く環境は依然厳しいものがあるが、医療分野の新自由主義的改革の流れが政治の表舞台から消え、少し希望の芽が見えてきたところであり決断した。自分の中でも前から2010年までと広言していたので、ちょうど区切りという意味では、すがすがしく退場できる。
いまからちょうど20年前の1991年に「歯科医療費問題を考える」(1~4)を執筆し、その後、日本歯科評論600号記念誌に「“技術料ー”の考え方とその位置づけ−歯科医師の所得を中心としての評価−」を書き、「良質で効率的な歯科医療とは何か」(1~4)につながった。そして、コラム形式ではNo.615からNo.818まで計434ペ−ジを毎月発信し続けてきた。当初は、こんなに長く続くことは予想していなかったが、持ち前の性格のせいか、やめることができなくなって今日に至ったが、書き続けてきたことの意義はあると思っている。
「歯科医療費問題を考える」(その1 歯科診療所経営の実態と診療報酬改定)が歯科医療問題の著作の原点であるが、そこでは、中医協医療経済実態調査結果の収支差額が実態より多めに出ていること、歯科の自然増が少ないこと、初診・再診料に不合理な医科歯科格差があることを指摘し、診療報酬の総枠拡大(改定率に歯科診療所の数の増加を考慮すること)が必要であることを説いたが、今でもそのことは通ずる。
この間自分が書いたことで歯科界の出来事で変わったと思われる事柄を記述してみる。①歯科診療所の経営実態を論ずるとき、中医協の医療経済実態調査の数値が使われてきたが、保険収入は歯科医療費を歯科診療所の数で割った方が正確であるとしたことに関し、最近では日歯も歯科医療費を歯科診療所の数で割った値を使うようになってきている。医療経済実態調査は「患者調査」とともに調査環境はよくない。
②診療報酬改定の影響率の分析を平成6年から行ってきたが、日歯や保団連でも社会医療診療行為調査を使った頻度計算で改定の検証を行うように変わってきた。
③改定所要率の分析で、委託技工費を日歯は消費者物価指数に連動するとしていたが、筆者の指摘で、その後賃金指数にスライドさせるものに変えた。
④初診・再診料に不合理な医科歯科格差があることを書いたところ、保団連信越北陸ブロック会議が発端で、全国自治体の意見書や、国会での質問(地元の安田議員ら)、質問主意書にもつながり格差是正への動きが加速され、初診料10点、再診料5点がアップになった。その後初診料は、かかりつけ歯科医初診料という形で医科歯科同額までいったが、日歯連の事件で逆戻りしたことは遺憾である。
⑤いわゆる「混合診療」への歯科の対応では、小臼歯部の硬質レジン前装冠、歯周組織再生誘導法、顎関節症の補綴学的治療、接着ブリッジによる欠損補綴ならびに動揺歯固定、小児齲蝕の治療後の指導管理は安全性、有効性が確立され、普及性があり保険導入すべきと記述した後、一部が保険導入された。
⑥連盟の会費の使い方がおかしく無駄使いが多ので、会費を値下げする必要性を説いてきたが、会費は年間3万6千円から2万3千円に値下げになった。
⑦「入れ歯人口」(有床義歯装着者)はいろいろな数値が用いられたが、筆者が歯科疾患実態調査を使い計算した昭和50年1,666万、56年1,948万、62年2,133万、平成5年2,116万、11年2,047万、17年2,223万人に近い数値がマスコミに載るようになってきた。
指摘が正しかったこととして上げられるのは、
①歯科医師の定年制は机上の空論であると主張したことは、その後の日歯の対応をみれば明らか。平成2年から平均的な1歯科診療所の1か月の保険内容分析を発表してきたが、筆者の主張する基本的診察料をアップしないで、診療行為が減少し続けている歯科独自の歯冠修復等に点数を張り付けてきたことも歯科低迷の一因となっている。
②歯科技工界に忍び寄る危機を早くより察知し、歯科医師とともに不当な医療費抑制策(歯科技工料の低評価)を是正させること訴えてきたが、歯科技工士界のトップは独自の路線を歩み始めたので、歯科技工の現場がさらに窮状に追いこまれてきた。
③政治資金収支報告書の閲覧のため、総務省の政治資金課へ行って調べ、お金の流れに対して「警告」を発していたが、予測どおり日歯連事件が起きてしまった。日歯連盟では政治力が有効に機能してこなかったことが組織力の低下、歯科代表の中医協委員の削減に結び付いている。事件直後の大久保連盟会長は結局事件の総括をしないまま、現在日歯の会長職にある。キーワードは「公明」と「公正」で、政治には不断の監視が不可欠である。 今後の課題としては、
①請求事務の簡素化が、ずっといわれているにも拘わらず、性悪説に基づいた請求事務の複雑化が進められていること。日歯レベルで改善の方向を示すべきである。
②現場の声が中央に届くような体制作りが望まれるが、日歯は歯科医師の研鑽のための医学文献等をまとめた「歯科医療年鑑」を毎年発行すべきというのが持論。日本歯科医学会は「歯科治療マニュアル」を分野別に作らなければならない。
③診療報酬改定のルール化。指導と監査のあり方については、1件当たり高点数を指導対象とすると、それを逃れるための無駄な医療が発生し、国民にとっては不利益である。「保険の範囲を広げる」という国民の要求に答える第一弾として小臼歯部への硬質レジン前装冠の導入(財源は1回目の歯周組織検査の点数の半減化で可能)を進めるべきであろう。普通会話で銀歯が見えては「歯科保健の先進国」とはいえない。
④在宅歯科診療の対象者を「常時寝たり等」としている、ばかげた事態に対し日歯は厚生労働省に厳重抗議しないと、在宅歯科診療が進まないし、国民が不利益を被る。
⑤日歯連盟会費の2割程度しか政治家に献金されていない非効率的現状を改善すべき。
⑥歯科大学における教育は大切であるが、国家試験の難問化により予備校化し、技術の習得が難しくなりレベルが相当下がってきている。国家試験を法に定められた通常の資格試験に戻さないと歯科医療の質が低下してしまう危険性がある。
⑥歯科技工は崩壊の危機にあり、待遇を改善して、その養成の確保を図るべきである。来予測はなかなか当たらないことを痛感させられた。
この間、長崎県のスタディーグループの講演を手始めに、一昨年の函館歯科医師会での講演まで、全国を回らせてもらった。2年間日歯の生涯研修セミナーの講師を努めたこともあった。天皇・皇后両陛下のご臨席を仰ぎ帝国ホテルで行われた日歯100周年記念式典に出席できたことが、この仕事を続けてきた良き思い出として脳裏に刻まれている。
   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
良質な音質のBGMを流してます。
患者にとってより安全で安心できる歯科外来診療の環境整備は万全