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2012年5月16日
平成24年5月院長のマンスリートーク ◆福島第一原発事故の教訓
◆福島第一原発事故の教訓
5月14日、政府は今夏の電力需給対策の原案を発表する一方、東京電力は6月下旬に実質国有化された後の新経営陣を発表するなど、原発を巡る動きが活発化してきている。関西電力の大飯原発3、4号機の再稼働がもしできなければ、電力使用制限令の発動も検討されている。
今月は、福島原発事故独立検証部会の調査・検証報告書(抜粋、一部改変)から、原発事故の教訓を振り返ってみる。

東京電力福島第一原子力発電所の事故は、東日本大震災の際の地震と津波による全電源喪失に端を発した。炉心熔融と水素爆発を伴うシビアアクシデント(過酷事故)だった。
1号機、2号機、3号機の炉心はメルトグウンし、4号機の原子炉建屋が大破し、使用済み燃料プールの周辺部も破損した。その過程で、放射能汚染がきわめて広範囲に及び、旧ソ連のチェルノブイリ事故にも並ぶレベル7という史上最大規模の原子力災害となった。急性被曝による死者は、現時点では存在しないが、事故による放射性物質の飛散と環境汚染によって、約11万人の福島県民が今なお避難生活を余儀なくされている。避難住民は生活の基盤と住み慣れた故郷を失い、子どもを含めた多くの人々は、今後長期にわたって健康への不安を抱き続けることになる。
決定的な瞬間はどこだったのか。全電源喪失を起こした昨年3月ll日から、炉心損傷が始まり、ベントを迫られ、海水注入を余儀なくされたその日の夜までの最初の数時間に、破局に至るすべての種はまかれた。「並行連鎖原災」の起点は、東京電力が、1号機のIC(非常用復水器)の隔離弁が「閉」か、それに近い状態であったことに気づかなかったことだった。福島第一原発の吉田所長や東電本社は、ICが作動していると思いこみ、冷却機能が途絶えたことに迅速に気づかなかった。それに対応すべく、消火ポンプや消防車を使った1号機原子炉への代替注水が直ちに行われなかったこと、そして、格納容器のベントがll日夜までの間に速やかに行われなかったことが事態を決定的に悪化させた。
原発サイトでは、このような数々のヒューマン・エラーが起こった。ICの作動状況の誤認は、そのうちもっとも重大なエラーだった。しかし、ここでのヒューマン・エラーは、一個人の誤認にとどまる話ではない。発電所の運転管理部長もユニット所長も発電所長も、さらには本店の原子力担当部門も等しく、それを誤認した。事故の際の東京電力の手順書(事故時運転操作手順書)は、全電源喪失を想定していない。東京電力は、過酷事故に対する備えを用意していなかった。オペレーターたちは誰一人として、それまでICを実際に動かした経験はなかった。彼らは全電源喪失への対処の教育、訓練を受けないまま、マニュアルもなく、計器も読めない、真っ暗闇の危機のただなかに放り込まれたのである。
最後の頼みの綱の冷却機能が失われたのに、それへの対応が12日早朝までなされなかったことは、この事故が「人災」の性格を色濃く帯びていることを強く示唆しているが、その「人災」は、東京電力が全電源喪矢過酷事故に対して備えを組織的に怠ってきたことの結果でもあり、「人災」の本質は、過酷事故に対する東京電力の備えにおける組織的怠慢にある。

日本の原子力安全規制体制は、当時の通商産業省(現在の経済産業省)と科学技術庁(その後、文部科学省に併合)の二元的原子力行政、規制官庁である経産省・資源エネルギー庁傘下の原子力安全・保安院と、その保安院を「規制調査」する内閣府所掌の原子力安全委員会との「ダブル・チェック」制度という、推進、規制両面の縦割り体制を特徴としている。この構造の問題点は、つとに国際的にも指摘されてきた。例えば、2007年6月、IAEAは、総合規制評価サービス(IRRS)による「日本政府への報告書」を発表し、その中で、「規制機関である原子力安全・保安院の役割と原子力安全委員会の役割、特に安全審査指針策定における役割を明確にすべきである」と勧告した。
しかし、これに対して、原子力安全委員会は2008年3月、「総じて、日本の規制は、国際的基準に照らしても非常に優れており、原子力安全の確保に有効に機能しているとの高い評価を、幸いにも得ている」との声明を委員長名で出し、勧告を一蹴した。このような声明がいかに的はずれであったかは明白である。
危機の核心は、政府が、危機のさなかにおいて国民の政府に対する信頼を喪失させたことだった。危機コミュニケーションが最終的には政府と国民の信頼の構築に帰着するように、危機に際しては、政府と国民が力を合わせなければ乗り切ることはできない。政府は、「安全」に真剣に取り組み、国民をしっかりと守る。専門家もそれに寄与する。それに対する国民の信頼があってこそ、危機にあっても国民は「国に守られている」という「安心」の芯を維持できる。もとより、国民も危機管理に責任を負う。「小さな安心」の消費者としてだけではなく、「大きな安全」の建設者として、社会と政治に参画する責任である。
検証を終えて、まだまだ切り込まなければならない課題も多い。例えば、住民避難をめぐる国、県、自治体間の情報伝達やコミュニケーションのあり方、県のSPEEDIの活用はじめ危機管理の際の機能と役割、災害直後の住民に対する放射線管理や内部被ばく検査の遅れ−とりわけ子供の内部被ばく検査が放射性ヨウ素の消滅した8月以降になったこと−食品汚染の広がりの原因と責任、リスクコミュニケーションにおけるメディアの役割、米国の日本政府に対する対原発テロ対策強化要請が受け止められなかったいきさつ、などである。

東京電力福島第一原子力発電所事故と被害を検証し、教訓を引き出す作業は、これからも息長く続けていかなくてはならない。


以上、報告書にみるように、危機管理におけるヒューマンエラー、リーダーシップのあり方、メディアを含めた情報伝達のあり方が問われている。一刻もはやく、原子力安全規制体制ができあがり、国民が安心して暮らせる世の中になることが求められている。

   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
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