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2017年4月17日
平成29年4月院長のマンスリートーク◆保存修復及び欠損補綴の減少を実数で見る
平成29年4月院長のマンスリートーク◆保存修復及び欠損補綴の減少を実数で見る
先月は、日本歯科医師会常務理事で中医協委員の遠藤秀樹先生の「ここ15年間の歯科医療費の推移」に関する講演の話を述べた。
その中で、 歯科の1件当たり点数が15年間に280.3点も減っているが、 ほとんどが保存修復及び欠損補綴の減少(299.2点)であること、1件当たり日数は医科入院外より0.27日多いのに、初・再診料の固定点数が低いため初診・再診の点数は医科入院外より50点以上少ないことに触れた。
また、歯科は「初診・再診は統計資料(患者調査)によれば減少傾向にあり、初診・再診料を上げるよりも、歯科独自の処置や検査、補綴の基本的行為の適正評価に重点配分することを優先すべき」としてきたが、実際は受診件数(初診・再診)が35%も増え、歯科独自の処置や補綴の件数が減少したのが実情であることも書いた。
保存修復及び欠損補綴の減少を実数で見ることは歯科医療費の増減を考える上で重要である。今回は、社会医療診療行為別調査の数値から、長期間の治療数の変化を振り返る。
保存修復治療がどの位なされてきたかを昭和38年からみたのが図1であるが、昭和52年に接着性コンポジットレジンが開発されてから、 急激にレジン充填が増えてきており、 現在では年間全国で約1億窩洞となっている。インレーは単純なものを中心にコンポジットレジンに置き換り往時の4割である。アマルガム充填は古くより修復治療の中心であり、昭和53年には年間4,000万を超えていたが、 水銀による環境問題等により、 急減し平成28年に保険から外された。 セメント充填は、 レジン充填と比較すると少ないのが実態(年間130万本)である。
インレー修復を平成元年から歯種(大臼歯・前小臼歯)、形態(単純・複雑)、合金(金パラ・銀及びニッケルクロム合金)に見たのが図2である。インレー単純大臼歯、インレー単純前小臼歯、インレー複雑大臼歯、インレー複雑前小臼歯(以上金パラ)、インレー銀及びニッケルクロム合金(主に乳歯)は平成26年にそれぞれ64万本、 24万本、 676万本、 368万本、 87万本であるがそれぞれ一番多かった時と比べそれぞれ88%、73%、27%、38%、80%減となっている。
昭和61年からの鋳造歯冠修復の推移をみると(図3)、硬質レジン前装金属冠が昭和61年にブリッジ、 平成4年の単冠の保険導入によって1,100万を超えたことがあったが、 現在は670万本(4割減)である。 全部鋳造冠は長い間、 年間約2,400〜2,500万本と不変であったが、 平成6年頃から減少し現在では1,450万本(4割減)になっている。 4/5冠(現在70万本)、 3/4冠(現在10万本)は、 それぞれ一番多かった時と比べ、 それぞれ89%、94%減となっている。
一方、 有床義歯は年間900万床とほぼ一定であったが、 平成21年頃から少しずつ減少してきて平成26年には760万床(15%減)である(図4)。残存歯数別では総義歯の35%減が目立つ。なお、 点数の高い熱可塑性義歯は年間100万床とほぼ一定である。
全般的に平成5年頃から保存修復及び欠損補綴の治療実数が長期減少傾向になっていたことが、歯科医療費が伸びなかった大きな原因になっていた。日本歯科医師会の改定時の配分に関する戦略が誤っていたことを証明する数値であるが、保存修復及び欠損補綴の治療実数を今後とも注視していかねばならない。これらのことは、歯科技工とも大いに関連していることであり、歯科医療の存亡にも関わる重要な数値である。
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その中で、 歯科の1件当たり点数が15年間に280.3点も減っているが、 ほとんどが保存修復及び欠損補綴の減少(299.2点)であること、1件当たり日数は医科入院外より0.27日多いのに、初・再診料の固定点数が低いため初診・再診の点数は医科入院外より50点以上少ないことに触れた。
また、歯科は「初診・再診は統計資料(患者調査)によれば減少傾向にあり、初診・再診料を上げるよりも、歯科独自の処置や検査、補綴の基本的行為の適正評価に重点配分することを優先すべき」としてきたが、実際は受診件数(初診・再診)が35%も増え、歯科独自の処置や補綴の件数が減少したのが実情であることも書いた。
保存修復及び欠損補綴の減少を実数で見ることは歯科医療費の増減を考える上で重要である。今回は、社会医療診療行為別調査の数値から、長期間の治療数の変化を振り返る。
保存修復治療がどの位なされてきたかを昭和38年からみたのが図1であるが、昭和52年に接着性コンポジットレジンが開発されてから、 急激にレジン充填が増えてきており、 現在では年間全国で約1億窩洞となっている。インレーは単純なものを中心にコンポジットレジンに置き換り往時の4割である。アマルガム充填は古くより修復治療の中心であり、昭和53年には年間4,000万を超えていたが、 水銀による環境問題等により、 急減し平成28年に保険から外された。 セメント充填は、 レジン充填と比較すると少ないのが実態(年間130万本)である。
インレー修復を平成元年から歯種(大臼歯・前小臼歯)、形態(単純・複雑)、合金(金パラ・銀及びニッケルクロム合金)に見たのが図2である。インレー単純大臼歯、インレー単純前小臼歯、インレー複雑大臼歯、インレー複雑前小臼歯(以上金パラ)、インレー銀及びニッケルクロム合金(主に乳歯)は平成26年にそれぞれ64万本、 24万本、 676万本、 368万本、 87万本であるがそれぞれ一番多かった時と比べそれぞれ88%、73%、27%、38%、80%減となっている。
昭和61年からの鋳造歯冠修復の推移をみると(図3)、硬質レジン前装金属冠が昭和61年にブリッジ、 平成4年の単冠の保険導入によって1,100万を超えたことがあったが、 現在は670万本(4割減)である。 全部鋳造冠は長い間、 年間約2,400〜2,500万本と不変であったが、 平成6年頃から減少し現在では1,450万本(4割減)になっている。 4/5冠(現在70万本)、 3/4冠(現在10万本)は、 それぞれ一番多かった時と比べ、 それぞれ89%、94%減となっている。
一方、 有床義歯は年間900万床とほぼ一定であったが、 平成21年頃から少しずつ減少してきて平成26年には760万床(15%減)である(図4)。残存歯数別では総義歯の35%減が目立つ。なお、 点数の高い熱可塑性義歯は年間100万床とほぼ一定である。
全般的に平成5年頃から保存修復及び欠損補綴の治療実数が長期減少傾向になっていたことが、歯科医療費が伸びなかった大きな原因になっていた。日本歯科医師会の改定時の配分に関する戦略が誤っていたことを証明する数値であるが、保存修復及び欠損補綴の治療実数を今後とも注視していかねばならない。これらのことは、歯科技工とも大いに関連していることであり、歯科医療の存亡にも関わる重要な数値である。