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中道歯科医院
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2021年9月24日
令和3年9月院長のマンスリートーク◆戦前の健康保険歯科診療−⑥昭和8年10月から再び人頭請負方式に
令和3年9月院長のマンスリートーク◆戦前の健康保険歯科診療−⑥昭和8年10月から再び人頭請負方式に

 前にも述べたように昭和2年、政府は医師会や歯科医師会と団体自由選択主義による診療契約及び覚書のもと健康保険制度を発足させた。なお、歯科診療は予想外に受診が多かったため昭和2年度の契約更新に補綴の承認制を採用し、補綴に要する費用は別途支払うことと従来の団体委任契約を各歯科医との直接契約に改め、保険歯科医の監督、診療報酬分配についてのみ政府と歯科医師会との間で協定することとなった。
 この健康保険制度は、発足当初、その制度に対する理解の不徹底と世界的経済恐慌による混乱により、困難な問題が起こり、当局はその解決に苦慮した。健康保険制度に対する無理解に基づく乱受診については、被保険者教育の徹底を図るため受診心得を配布するとともに、視察員制度を設けて不正行為の防止を図りながら、診療内容の適正を図るため昭和3年12月に健康保険診療指針を、さらに昭和6年11月に歯科診療方針を設定して極力制度運営の健全化に努めた。
 その後、本制度に対する被保険者の認識が深まったことと、昭和6年の満州事変を契機とする経済の好転によって、保険経済も好転し、昭和7年頃からようやくその基礎を確立していった。
 歯科診療においては、昭和8年10月1日より政府との健康保険契約を変更、勤労人頭式診療報酬支払方式を道府県歯科医師会と地方長官との団体契約による人頭請負方式に改め、乱診乱療傾向に対処した。健康保険法施行当初に於いて請負式をやり次いで定額式に変更して今度又請負式に変わった。
 請負式は定額式と異なり往々にして診療低下ということが問題になり易く、歯科医も書類の整理並びにいろいろの法規通牒等複雑なるものが要求された。地方長官宛であった請求が歯科医師会に変更され、日本歯科医師会から診療報酬を各道府県歯科医師会に分配、各道府県は各保険医に分配しその分配状況の報告をすることとなった。なお、組合管掌は定額勤労式、人頭請負式、時価式の3つの方式が継続された。
 表は昭和八年度後半期の道府県別診療費一点単価の調査表である。道府県格差はまだあるが、かつて程ではなくなってきている。


 昭和8年までの健康保険制度において当局からいろいろな指摘を受けてきた。項目を列挙すると、診療報酬の分配の遅延、診療費分配金を一時事務費に流用したもの、現金出納簿の残額と現金の符合しないもの、役員報酬を数カ月分前払いさせたもの、組合管掌分又は歯科医師会の事務費を政府管掌の事務費より支出したもの、会計帳簿及び証拠書類の設備及び整理の不完全なるもの又は記帳の甚だしく遅延するもの、個々の残額より見て借入の必要なきに一時借入金をなしたり正当の債主の領収書のないもの、旅費の支払いにおいて計算の基礎が不明のもの、会議費及び雑費の支出でその内容が不明のもの、支出科目に誤謬があるもの、歳出の所属年度に誤謬があるもの、領収証の捺印漏れなど、形式的な細かい点である。
 歯科の請け負い制度が再び始まる前に歯科医師法の一部改正が行われた。昭和8年2月21日貴族院に上程、 次いで3月7日衆議院に回付され、医師法については種々面倒がおこったが、歯科医師法は3月23日議会を通過し、4月4日公布された。
 改正の第一は、精神病者を欠格条項中に挿入させたことである。第二は、歯科医師法第4条の2に伴う命令で、歯科医師に非ずして歯科診療所を開設するものも、歯科診療所の開設、構造、設備及び管理に必要な事項は歯科医師と同様の規律の下に統轄されることとなった。そして、歯科医師の技能、療法等に関する広告は学位・称号・専門科目以外は一切できないこととされた。さらに、診療簿の保存期限を従来十カ年であったのを五カ年に短縮するとともに、地方庁令で診療簿を査閲するものは主として警察官吏というようになっていたものを衛生官吏に限定することとなった。また、歯科医師に非ざるものが歯科医業をなした場合、従来五百円以下の罰金であったものを1年以下の懲役に変えた。

 昭和八年度から十年度の政府管掌と組合管掌の健康保険歯科診療の契約は以下の通り。
【政府管掌】
被保険者一人当たり診療費年額
昭和八年度 72銭6厘
 昭和九年度 73銭9厘
 昭和十年度 75銭6厘

診療を受けたる被保険者一人当たり診療費年額
 昭和八年度 45円12銭
 昭和九年度 39円24銭
 昭和十年度 39円72銭

保険歯科医一人当たり診療費年額
 昭和八年度 90円36銭
 昭和九年度 99円84銭
 昭和十年度 134円88銭

診療に従事したる保険歯科医一人当たり診療費年額
 昭和八年度 227円4銭
 昭和九年度 221円64銭
 昭和十年度 248円28銭

【組合管掌】
被保険者一人当たり診療費年額
昭和八年度 54銭9厘
 昭和九年度 56銭3厘
 昭和十年度 58銭6厘

診療を受けたる被保険者一人当たり診療費年額
 昭和八年度 38円76銭
 昭和九年度 38円16銭
 昭和十年度 37円68銭

保険歯科医一人当たり診療費年額
 昭和八年度 22円92銭
 昭和九年度 25円92銭
 昭和十年度 33円36銭

診療に従事したる保険歯科医一人当たり診療費年額
 昭和八年度 152円28銭
 昭和九年度 150円96銭
 昭和十年度 155円4銭

   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
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