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中道歯科医院
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2021年4月23日
令和3年4月院長のマンスリートーク◆戦前の健康保険歯科診療−①健康保険歯科診療の開始−
令和3年4月院長のマンスリートーク◆戦前の健康保険歯科診療−①健康保険歯科診療の開始−

 大正15年11月10日、24年間の日本聯合齒科醫會・日本聯合齒科醫師會を経て、歯科医師法改正による強制設立という形で日本歯科医師会が許可された。健康保険法の施行に伴い、政府や健康保険組合等との交渉団体という性格を持つためで、この時、全国の日本歯科医師会の会員数は1万人を超え10,382人となった。
 健康保険法案が立案されたのは第1次世界大戦後のわが国の社会情勢と経済事情の変化、特に労働情勢に刺激されたためである。
 大正9年8月、原敬内閣の時、農商務省工務局に労働課が設けられ、健康保険に関する調査立案が着手され、大正10年11月に健康保険要綱を作り、同年12月に設置された労働保険調査会の審議に付された。
 大正11年3月、高橋是清内閣が国会に健康保険法案を上程したときの提出理由は次のようなものであった。
 労働保険の制度を樹立して、生活上の不安を除去すること、又労働者の健康を保持して労働能力の増進を図り、その結果として労資の円満なる協調、それによりて国家産業の健全なる発達を期することの必要を認めたというものであった。ただ、労働保険制度を以て救済すべき事故は数々あるも、本邦に於ては、この種保険の基礎とする資料、殊に過去の経験に基づく実際の統計は甚だ乏しい故に、此度は工場と鉱山の従業員に対する健康保険制度を定め、これを以て将来施行すべき他の労働保険制度の基礎とし、漸次この法案に改訂増補を加えて完成したいとも付け加えられた。
 健康保険法は大正11年4月に公布せられたが、その実施は昭和2年に始まり歯科医療給付も同時に開始された。日本聯合齒科醫師會ではこれに対する準備として齒科醫制調査會に於いて調査研究した結果を当局に意見として開陳してきた。新しく発足した日本歯科医師会は昭和2年8月に政府管掌の健康保険歯科診療についての契約、支払方式、診療方針等で政府と協定書を締結した。昭和2年1月1日から3月31日までは被保険者1人当たり年額68銭5厘の割合による請け負い式であったが、これでは到底保険歯科医の労働に報いることができないということで、4月からは補綴だけは個々の勤労に依って報酬を支払う制度に改め、10月から歯科診療全部をその方式に改めた。
 昭和2年10月1日からの勤労定額式のため、日本歯科医師会と政府が同年8月9日に協定した料金表は次のようなものであった。(表)


 当時社会局で発行した「歯科受診心得」中の料金表の説明は
1.初診料 保険(歯科)医は10月1日以降、初めて診察した被保険者に対する初診料として、金35銭を政府に請求しますが、その初診料は半年間は有効でありまして、その期間は何回その保険医に診察してもらっても、重ねて支払わなくてもよいことに定めてあります。よってできるだけ医師を変更しないようになさい。勝手に保険医を変更して、政府が初診料を何度も支払うことになれば、結局諸君が拠出した金を無駄に使用することになりますからご注意をこう。
2.治療料 ムシバの治療は、歯1本につき1回金25銭の定めでありますから、3回ですめば金75銭、5回ですめば金1円25銭の治療代を、保険医から請求します。ところが1本のムシ歯を6回も7回も治療せねば直らぬことがあります。かくのごとき場合には、保険医は5回と限らず何回でも治るまで療治してくれますけれど、その料金は5回分、すなわち金1円25銭を請求するに止め、これ以上は治療代を請求しないことに定まりました。しかし治療が完了しない内に、被保険者が自分の都合から永く治療を中止したときは、保険医はその時までの治療代を政府に請求しますから、治療を受け始めたなら、保険医の指示の通り精々通って、できるだけ早く治してしまわなくてはなりません。
 一度治してもらった歯が、4カ月以内にまた痛み出すような時は、前に治療をしてくれた保険医の所に行けば、無料で治療をしてくれることに定めてあります。よってかくのごとき場合には、前にかかった保険医に依頼するようにしてもらいたい。
3.抜歯料 歯を抜いた時は、保険医は歯1本につき金1円を政府に請求します。
4.充填料 「ゴム」で充填したるときは歯1本に付50銭、「セメント」や「アマルガム」で充填したときは金1円という料金で、充填した歯の数に応じて、保険医から政府に対して報酬の請求がきます。この「ゴム」で充填するか「セメント」や「アマルガム」で充填するかは、歯の様子をみて保険医が定めますから無理な注文をしてはいけません。
 一度充填してもらった歯が、1カ年以内にまた悪くなれば、その歯を充填してくれた保険医に行けば、無料で改めて充填してくれます。
5.補綴料 義歯や継続歯等を施すことを補綴と申します。補綴の料金は「ゴム」床義歯のときは1床ごとに計算して、1歯につき金1円60銭、1歯増すにつれ1歯金80銭の割りで計算します。
 義歯には必要があれば金鉤をつけますが、この料金は1箇につき金1円50銭であります。陶歯で継続歯を施すときは、1歯4円の料金であります。臼歯がムシバとなり、充填をしただけではどうしても役に立たぬ時は、抜くかまたは金冠をつけますがこの金冠の料金は、大きい臼歯は1本金7円20銭、小さい臼歯は1本金5円40銭の定めであります。
 以上のような料金を補綴の報酬として、政府の方から保険医に支払いますが、補綴が施された後1カ年以内に陶歯が脱離したり、または義歯の床が不適合になったようなときは、その補綴を施した保険医に申し出れば、無料で修理をしてくれますから、その際保険医を変更しないようになさい。1厘でも無駄な費用はださないようにお互いに気をつけましょう。
6.薬治料 歯科の保険医からでる薬の料金は、内服薬1日分金10銭、頓服薬1日分金8銭、含嗽薬及び罨法薬は金16銭の定めであります。
 薬瓶のごときは、初めの1回は保険医がだしますが、後はその薬瓶を持って薬を取りに行かなければなりません。
 以上の通り料金が定まりましたが、歯の治療はいまお話ししたことの外にもいろいろありますから、それらの治療のときの料金は、その保険暑と保険医との間で取り決めるのであります。

 ゴム床義歯は、1852年米国のタイヤメーカーであるグッドイヤー社が高温・高圧で固めた蒸和ゴムの開発の成功に端を発し、日本には明治13年頃輸入されたといわれる。昭和20年まで作られた。その後は今のレジン床に置き変わる。大正時代はゴム床義歯はまだまだ一部の階層の人々のものであったし、義歯の耐久性、衛生性、審美性などは現在からみると比べ物にならないものであった。ゴム床を作るための蒸和釜の火加減が難しく1時間ほど見張ってないと安全弁が暴発して天井を突き破ったりしたといわれる難物を徹夜作業で昔の人は作っていた。
 

   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
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