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中道歯科医院
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2016年9月12日
平成28年9月院長のマンスリートーク◆誤診と病名〜冲中東大教授の最終講義より〜
平成28年9月院長のマンスリートーク◆誤診と病名〜冲中東大教授の最終講義より〜
 医療の内容は本来不均質なものである。原因として考えられる主なものとして、七人委員会の代表だった今井は次のような点をあげた。すなわち、①疾病の種類がすこぶる多いこと、②医学的には疾病であっても社会生活的には疾病ではないものがあること、③同一疾病であっても医学的に治療方法が分かれる場合があること、④患者の体質、病歴、病状等によって、治療方法が異なってくること、⑤医師の技能経験によって、診断や治療の方法が異なる場合があること、⑥治癒を認定する段階が区々となる場合があること、⑦社会生活的には治癒と認められても、医学上は治癒と認められない場合があること、⑧使用する薬品、衛生材料、医療器具機械などが区々であること、⑨医療機関の建物、備品、その他の物的諸設備が区々であること、⑩医師その他医療従事者の技能経験や人員配置が区々であることなどである。
 そして、医療には臨床診断と剖検所見の異なる誤診がつきものである。その誤診に関しては、東京大学冲中教授が最終講義で述べた有名な結果がある。
 冲中重雄氏は1902年(明治35)石川県で生まれ、東京帝大医学部医学科を卒業した。1928年(昭和3)東京帝大副手となり、1931年(昭和6)欧米に留学。1943年(昭和18)助教授、1946年(昭和21)教授となり、1963年(昭和38)までつとめた。
 臨床医家としての立場から、広く医学の基礎的な研究に従事してすぐれた業績を残し、特に、自律神経系に関する研究の成果に対して、1961年(昭和36)日本学士院賞恩賜賞が贈られた。1963年(昭和38)、虎の門病院院長に就任、10年間つとめた後、沖中記念成人病研究所理事長となる。1970年(昭和45)文化勲章、1975年(昭和50)勲一等瑞宝章を受賞した。
 1946年(昭和21)から1962年(昭和38)までの17年間の剖検例750について、はっきり誤診といえるものが107例、平均して14.2%あった。この極端な低率は世間を驚かせた。
 誤診の判定基準の第一は、比較的少ないが臓器の診断の誤り。肝臓の病気と肺臓の病気とを間違えたなど。第二の基準は臓器の診断は正しいけれども、病変の性質の誤診。たとえば肝硬変と診断した場合に、剖検で肝に小さい癌性の病変を伴っていることが発見されたというような場合。それから、第三は悪性腫瘍に関するもので、主要な臨床症状を説明するにたるところの剖検所見は臨床診断と一致するが、癌の原発巣の診断を誤った場合。一番よく遭遇するむずかしい問題である。
 疾患別の誤診率(表1)をみると、比較的多いのが神経疾患18.3%、呼吸器疾患16.8%、肝・胆道疾患18.8%、ことに膵疾患の誤診率(41.1%)が高い。原発巣としての膵癌の臨床は、なかなかむずかしいようだ。

 いつも正確な既往歴Anamneseをとる、これをなんべんも読み返すことが大切で精細な臨床検査、ことにベッドサイドの緻密な観察、検討というものをたえず怠ってはならないと諭す。同一の患者を診る場合にも、毎日新しい患者を診る気持ちで観察していかなければならないと結ぶ。なにもむずかしい検査をいつもする必要はなく、少なくともそれに頼る前に、頭と目と手で簡単な検査道具を使って、よく患者を診ることがいつも大切とする。
 そして最後に“書かれた医学は過去の医学であり、目前に悩む患者のなかに明日の医学の教科書の中身がある”という言葉を学生に送った。
 代表的な英文論文検索システムMedlineを用いて1980〜2004年の間に発表された該当する研究に関する論文を抽出し、各対象症例を合わせて分析したところ、剖検により臨床診断の誤りが訂正された事例は15〜41%あった。ざっくり言って、約3割に誤診があるといえる。
 保険医の診療は、一般に医師として診療の必要があると認められる疾病又は負傷に対して、適確な診断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行わなければならない。診療にあたっては常に医学の立場を堅持して、患者の心身の状態を観察し、心理的な効果をも挙げることができるよう適切な指導をしなければならない。また、各種の検査は、診療上必要があると認められる場合に行うことになっている。
 しかし、最近の医療は、画一的で営利を目的にして行われるものもある。頭と目と手で、よく患者を診ず、むずかしい検査をした実際の例(レセプト点検事例集)を見てみると中に驚くようなものがある。
 表2は白癬病の患者で病名が38ついたもの、表3は非ホジキンリンパ腫の患者で病名が40ついたものである。1人の人間についた病名が40近くあった医科入院例である。白癬病の患者の一カ月の医療費101万円、非ホジキンリンパ腫の患者の一カ月の医療費は188万円である。最終的には審査を通り病院に支払われている。白癬病の患者はいろいろな疑い病名の検査、画像診断に一カ月30万円以上使われている。高額療養費制度の悪用例か。

 こんな実態を冲中先生が見たら、さぞお嘆きであろう。医療は不確実なものであるが、過剰な検査、過剰な投薬、無駄な手術に対しては厳しく対処されなければならない。
   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
良質な音質のBGMを流してます。
患者にとってより安全で安心できる歯科外来診療の環境整備は万全