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中道歯科医院
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2020年5月15日
令和2年5月院長のマンスリートーク◆新型コロナウイルスと歯科(2)〜唾液を使ったPCR検査とパルスオキシメーター〜
令和2年5月院長のマンスリートーク◆新型コロナウイルスと歯科(2)〜唾液を使ったPCR検査とパルスオキシメーター〜

 5月1日、全国紙朝刊において日本歯科医師会堀憲郎会長は国民の皆様へと称して、次の様なメッセージを発した。
 「現在の新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、歯科医療機関には、緊急性が少なく延期しても問題がない治療、定期健診、訪問診療などの延期の検討をお願いしています。 また、治療の延期の際には、対面せず電話などで指導をさせていただくことがあります。ご理解とご協力をお願いいたします。
 一方、治療の緊急性については、痛みや腫れなどを放置すると重症化や全身へ影響を及ぼすことがあります。歯周病などの定期管理も全身状態に関係し、高齢者や特に在宅や介護施設での口腔衛生状態の低下で誤嚥性肺炎などが生じることが懸念されます。義歯を装着せず、噛めない状況が続くことは、全身の健康を損ないます。
 このように処置の緊急性は患者さんの状態により様々ですので、まずはかかりつけ歯科医にご相談ください。
 不規則な食生活を避け、口の中を清潔にして細菌の数を減らすことが、誤嚥性肺炎やウイルス疾患の予防につながります。毎食後の歯磨きをはじめお口の健康を保ちましょう。
 歯科医師、スタッフにとって感染リスクが高いとされる歯科医療現場ですが、これまで歯科治療を通じて患者さんの感染の報告はありません。
 更に感染予防策を徹底し、国民の皆様の健康を守るために取り組んでいきます。」(図)

 100年に1度の危機に際して、感染拡大防止に必要なPCR検査について、安倍首相は3月14日には1日8千件、4月6日には2万件まで増やすと表明していたが一向に増えなかった。そこで、歯科医師もPCR検査をやることになった。
 5月8日、PCR検査を増やすため厚生労働省は感染の疑いのある人が保健所などの相談センターに相談する際の目安の37.5度以上の発熱4日間などを削除し、息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状がある場合はすぐ相談するよう求めた。高齢者や糖尿病など基礎疾患がある重症化しやすい人は、軽い風邪症状でもすぐ相談するとしている。
 加藤厚生労働相は同日の閣議後の会見で、目安が相談や受診の基準のように取られているとし、「我々から見れば誤解だ」と語り物議を醸した。状況を踏まえて柔軟に対応するよう通知はなされたとはいえ、目安の条件に当てはまらないとPCR検査まで至っていないケースが多く見られたのも事実だ。大量の検査をして大量に隔離しない事には、安心して世の中を歩けない。
 ここにきて注目されているのが、唾液を使ったPCR検査である。研究を進めているいるのは北海道大学血液内科の豊嶋崇徳教授である。
 これまでのPCR検査は、鼻の奥まで綿棒を挿入して採取した粘液と痰を検体として使うが、粘液の採取には医療従事者の熟練した技術が必要となり、綿棒の刺激で検査を受ける人がくしゃみをすれば、医療従事者が感染するリスクも高くなる。医療用ガウンやマスクも不足気味の中、大幅に拡大していくことには無理があった。
 唾液を使ったPCR検査では簡単に検体が採取でき、医療従事者の感染リスクがなく、防御服もいらない。米ラトガース大学の試験によると、60人に対する綿棒方式と唾液採取によるPCR検査の結果は同じであったという。イェール大学の試験では、新型コロナウイルスのPCR検査の検体として、咽頭ぬぐい液よりも唾液の方がウイルス量が約5倍多かったという報告もあり、米国ニュージャージー州ではすでに唾液を使ったPCR検査が始まっている。
 今後、唾液を使ったPCR検査が実用化されるのは間違いない。

 週刊新潮4月30日号によれば、東京都世田谷区にある自衛隊中央病院では、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号乗船者と武漢からのチャーター機による帰国者112人の患者を受け入れたが院内感染はゼロであったという。また、同病院感染対処隊診療部新型コロナウイルス感染症対応チームのリーダー田村格医師によれば、軽症者や無症状者にホテルで療養してもらう場合、血中酸素濃度を測定する器具を置き、感染者に異変がないか、毎日チャックを行うことにより「沈黙の肺炎」から、死に至る患者を守ったとある。
 表面上、無症状だったり症状が収まったりした患者について、症状悪化が緩やかに進むのをどうやって察知するかに関して、高齢者ではSpO2(血中酸素飽和度)の低下、若年者では頻呼吸に気づいたという。
 また、週刊新潮5月7/14日号によれば、4月23日に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった女優の岡江久美子さんは、4月3日に発熱、医師から4、5日様子を見るよう言われ自宅で療養していて6日に容体が悪化し、都内の大学病院へ運ばれたが、すぐに人工呼吸器をつけるほどの重症で、そのまま帰らぬ人となった。岡江さんは昨年末初期の乳がんで手術を受け、1月から2月にかけて放射線治療を行っていて免疫力が落ちていた。PCR検査前でも陽性が疑われる場合は「パルスオキシメーター」で血中酸素濃度を測った方がよいと日本医科大学特任教授の北村義浩氏は述べている。
 パルスオキシメーターとは、1974年青柳卓雄博士により発明されたもので、体温計と同様、複雑なものではなく、指先に装着すると数秒で、酸素飽和度と脈拍数を表示する機器で、酸素化障害及び高心拍数を検知する器具として非常に信頼度が高いものとされる。日本の歯科診療所では、ほとんどの所に備えられ浸潤麻酔時等で使われている。
 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は、血液中の多くのヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるかを示し、正常値は96%以上、95%未満は呼吸不全の疑いがあり、90%未満は在宅酸素療法の適用となる。今回の新型コロナ肺炎の重症者は、見た目には比較的最小限の苦痛を訴えているだけなのに酸素飽和度が著しく低くなって肺胞が虚脱している例が多くみられるといわれる。
 大阪府歯科医師会は5月1日、太田会長名で「新型コロナウイルス感染症の治療が進む中で、無症候性低酸素症を呈する不顕性患者が、急性憎悪により重症化する症例が報告されており、必要に応じ酸素飽和度の確認をし、患者の状態を適切に把握することが重要」としており、今後、パルスオキシメーターの出番が増えてくることは確実だ。

 5月14日、感染者数、医療提供体制、PCR検査などの検査体制を考慮して、8都道府県を除く39県の緊急事態宣言が解除されたが、コロナ時代の「新たな日常」が求められてくる。米国の未来学者エイミー・ウェブ米ニューヨーク大教授は今後「職場や商業施設、公共交通機関の入り口で、体温、心拍数、呼吸数、血中酸素濃度などの計測を余儀なくされるかもしれない」社会が来ることを予言している。
 適切な手指衛生、個人防護具の適切な着脱、咳エチケットを含む呼吸器衛生が予防の基本といわれるが、歯科的には、リスク因子除去のためのブラッシングと口腔ケア(歯周治療)も加えれば予防も完全なものになると考える。

   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
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