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2020年4月20日
令和2年4月院長のマンスリートーク◆新型コロナウイルスと歯科
令和2年4月院長のマンスリートーク◆新型コロナウイルスと歯科

 新型感染症が世界的な広がりをみせ、政府からは緊急事態宣言が発令されたが、日本では感染者が4月18日、1万人を超えた。日本経済新聞によれば、世界全体では2,330,406人が感染し、死者数は160,925人である(表)。 今月は、新型コロナウイルスと歯科についてまとめてみる。


(経過)
 2019年12月8日、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が報告された。12月31日、世界保健機関(WHO)にこの原因不明の肺炎44例が報告され、SARS-CoV-2による感染症(coronavirus disease2019:COVID-19)と命名された。武漢市政府は2020年1月23日に市外に出る公共交通機関の運行を停止し、同市を事実上の封鎖状態としたが、感染者数の増加は止まらなかった。1月30日、WHOはCOVID-19肺炎を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
日本では2020年1月15日に最初の感染者(武漢市に滞在歴のある中国人)が確認された。中国での感染拡大を受け、政府は1月29日から武漢市の現地邦人のうち希望者についてチャーター機による帰国を開始し、さらに1月31日、湖北省に2週間以内に滞在歴のある外国人等の入国を拒否する方針を発表した。2月1日、新型コロナウイルス感染症を感染症法の指定感染症に指定し予防と対策が講じられたが、その後も患者数は増加している。
 2020年2月3日、香港でSARS-CoV-2感染が確認された患者が乗船したイギリス船籍のクルーズ船ダイアモンドプリンセス号の船内で複数人の乗客に発熱がみられた。このため、乗客乗員全員が横浜港で検疫を受けた結果、次々と感染が確認された。


(感染経路)
 一般的に知られているヒトーヒト感染の主な経路は空気感染、飛沫感染、接触感染、経口感染がある。SARS-CoV-2では他のコロナウイルス(SARS-CoVやMERS-CoVを含む)と同様に、飛沫感染と接触感染が感染経路であると考えられており、感染者と濃厚接触をするような家族、同居者、医療者および乗り物内での長時間の接触者などが主に感染する。潜伏期間は1〜12.5日(中央値:5〜6日)である。鼻や口の粘膜だけではなく、結膜を介した接触感染にも注意が必要である。
 感染基本再生産数(1人の感染者から周囲に何人感染するかの指数)はSARS-CoVは0.91、MERS-CoVはO.95であるのに対し、SARS-CoV-2では3.28(範囲:1.4〜6.5)と報告されている。
 北京大学生命科学院バイオ情報センタ−蛋白質植物ゲノム研究国家重点実験室はゲノム配列に着目しウイルス株を大別し、L型とS型と名づけた。103個の新型コロナウイルスのゲノム解析において、149個の突然変異を観察し、新型コロナウイルスをL亜型とS亜型に分けたところ、前者が70%、後者が70%であった。L型は感染力が強く、武漢やイタリアでアウトブレイクした。また、日本バイオデ−タ社は新型コロナウイルスを3つのヌクレオチドの塩基の並びからCTC、TCC、TCTの3グル−プに分け、武漢はCTC、東京はTCTであったと発表した。


(症状)
 症状は発熱、倦怠感、乾性咳漱、呼吸困難、消化器症状など。武漢からの報告では、発熱(98%)、咳漱(76%)、呼吸困難(55%)、倦怠感(44%)などが主な症状とされた。中等度以下の患者では身体所見は乏しいが、重症例では胸部の聴診で呼吸音の低下や肺雑音が聴取される。発熱や咳漱などの症状の出現から呼吸困難が現れるまでの中央値は8日である。1週間程度で呼吸困難が出現するため、この間の経過観察は非常に重要となる。


(検査)
 PCR法で呼吸器検体(鼻咽頭ぬぐい液や喀痰)から病原体遺伝子を確認する。しかし、呼吸器検体でのPCR法検査で病原体遺伝子が未検出の症例でも、糞便や肛門ぬぐい液、血液検査でのIgM/lgG抗体でSARS-CoV-2感染が確定する症例もある。抗原抗体反応で素早く感染の有無を調べるイムノクロマト法やELISA法が有用である。日本では、発熱症状や呼吸苦が4日以上改善しない時に、PCR検査の3条件(体温37.5℃↑、SPO2<93%、肺炎像+)を満たせば新型コロナ外来でPCR検査がなされる。


(ウイルスの歴史)
 人類はウイルスと古くからつき合ってきた。古くは古代ギリシャのヒポクラテスがインフルエンザと思われる流行病の記録を残している。日本でも平安時代の「日本三代実録」や室町時代の「増鏡」にもインフルエンザと思われる記録がある。1918年の「スペイン風」では、全人口の3分の1近い5億人が罹患し、そのうち4000万人〜5000万人、一説では1億人が亡くなったともされる。日本では約2300万人が感染し、約38万人が出た(45万人との推計もある)。人類がインフルエンザの正体をつかみ始めたのは1930年代で、1933年に初めて人のインフルエンザウイルスが分離された。20世紀には1957年の「アジア風」や「香港かぜ」で全世界で100万人以上の人が亡くなった。21世紀に入っても、2002年のSARSやMERSは記憶に新しい。


(ウイルスの細胞侵入機構)
コロナウイルスは、脂質二重層と外膜タンパク質からなるエンベロープ(外膜)でウイルスゲノムRNAが含まれている。コロナウイルスはエンベロープに存在するSpikeタンパク質(Sタンパク質)が細胞膜の受容体(ACE2受容体)に結合した後、人の細胞に侵入する。Sタンパク質はFurinと想定される人細胞由来のプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)によりS1とS2に切断される。S1が受容体であるACE2受容体に、S2は人細胞表面のセリンプロテアーゼであるTMPRSS2で切断され膜融合が進行する。ACE2とTMPRSS2が気道細胞において感染の必須材料といわれている。ACE2は、分子量約110kDaの糖蛋白で気管支、肺、心臓、腎臓、消化器等の多くの組織にある。


(重症化のリスク)
 COVID-19は高齢者や合併症(特に心血管・脳血管疾患、糖尿病、免疫不全)を有する患者では重症化のリスクが高いことが予想される。また、重症化のリスクについては次のような報告がある。すなわち、コロナウイルスによる肺炎では、CT所見に多発するすりガラス影に浸潤影が伴う。また、 一部の報告ではSARS-CoV-2による免疫反応はT細胞の消費に関与しており、診断時のリンパ球低下は重症化リスクと関連している可能性が考えられる。そして、一般のウイルス性肺炎の予後予測に有用とされているリスク評価スコア(MuIBSTAscore)はCOVIT-19の重症化リスクと合致している点が多いとされる。6項目のリスク評価スコアは、
 ①肺多発浸潤影、②リンパ球低下、③細菌の二次感染、④喫煙歴、⑤高血圧、⑥年齢
 一説では、血液型A型の人は感染しやすく、O型は感染しにくいともいう。男性が感染すると生殖機能が低下するという話もある。


(リスク因子−細菌の二次感染)
 口腔内には約400種類の細菌が存在し、その数は100億を超えるといわれる。歯周病菌がプロテアーゼというタンパク質を加水分解する酵素を産出し、保護している粘膜を破壊し、ウイルスレセプタ−が露出して感染しやすくなる。新型コロナウイルスはACE2受容体というレセプターにくっついて細胞内に侵入するが、ACE2受容体は口腔内の粘膜、とりわけ舌に多く発現しているという論文(Xu H,et al)もある。歯周病によって起こる炎症がウイルス感染を助長する。関連性はまだはっきりしないが十分可能性はある。正しいブラッシングで歯周病菌を減らす事が感染予防には重要となる。


(リスク因子−喫煙)
 喫煙によって好中球の貪食機能や走化性の低下、マクロファ−ジの抗原提示機能の低下、血清中のIgG量の低下、IgGサブクラスレベルや唾液IgAレベルの低下、PGE2の産生、過剰歯肉血流量の慢性的低下、歯周組織の低酸素状態、歯周ポケットの酸素分圧の低下が起こる。
喫煙者は粘液性の分泌物が気道内に停滞しやすくなり、肺から感染性粒子や分泌物を排出する繊毛の機能が低下する。免疫系の応答にも悪影響を及ぼす。喫煙者は非喫煙者より3倍感染しやすいとされ、喫煙室で感染した人もいるとの報告もある。 喫煙が肺のACE2受容体の発現を増加させ、ウイルスに感染しやすくなり重症化をもたらす。


(リスク因子−年齢)
 加齢による呼吸機能の変化として、肺胞と毛細血管の変化、心排出量の減少による肺毛細血管の血流量の減少、拡散の起こる粘膜床の肥厚に伴うガス交換に使用される肺胞表面積の減少、肺容量では残気量の著名な増加があり、これらは肺のガス交換能力の低下につながる。呼吸効率の低下と最大吸気力と呼気が低下する。粘液、繊毛クリアランスの機能も加齢とともに低下し、痰が貯留しやすく、咳漱が上手に行えない。よって、高齢者の致死率は高くなる。


(嗅覚障害と味覚障害−感染者の3割の人に症状が出る)
 嗅覚と味覚は順応が速い。人は40万個以上の異なる匂いを識別できる。嗅覚の中枢経路は、他の感覚系と異なり視床を経由せず、広範囲に前脳や扁桃体、海馬に神経線維を送る。これらの領域は辺縁系に属しており、匂いに対する情動行動や記憶と密接に関与している。匂い物質が嗅上皮に到達し、嗅細胞の嗅線毛膜の受容体と結合すると活動電位が生じ、このインパルスが一次中枢である嗅球の糸球体へ伝える。高齢者では嗅覚の閾値の上昇がみられる。
 一方、味覚は甘味、塩味、酸味、苦味を4基本味とし、これにうま味を加え5基本味としている。塩味および甘味の閾値は高く、酸味や苦味の閾値は低い。甘味、うま味及び苦味は味細胞の先端受容膜に存在するGタンパク共役型受容体を、塩味および酸味はイオンチャンネル型受容体を介する。味覚神経は延髄の孤束核に終止する。孤束核からの二次ニューロンは上行し、視床の後内側腹側核に投射する。視床味覚中継核からの三次ニューロンは大脳皮質に投射し、大脳皮質味覚野で味覚を認知する。舌の前2/3に分布する茸状乳頭の味覚受容体神経は顔面神経(鼓索神経)、舌の後1/3に分布する葉状乳頭・有郭乳頭の味覚は舌咽神経を介して、軟口蓋の味覚は顔面神経(大錐体神経)を、咽頭の味覚は迷走神経を介して延髄に連絡する。


(生物化学兵器漏洩説−米トランプ大統領力説)
 ワシントンポストは匿名の情報筋の話として、新型ウイルスが中国科学院武漢ウイルス研究所から誤って(?)流出した可能性があると報じた。SARSに類似したコウモリウイルスの取り扱いをめぐる安全対策の不備に懸念があったようである。毒性学や生物化学兵器の世界的権威の杜祖健氏(コロラド州立大学名誉教授)は「専門家の間では人工的なウイルスだろうという意見が多い」と述べている。Sタンパクという部分が人間によっていじられた痕跡があるという。人為的に作り出したウイルスと考えるとすっきりする点が多いのが現実か。


(BCGとの関連)
 1921年に人に初めてワクチンが投与されたが、投与ワクチン(生菌の数が多い日本株やソ連株)を投与している国としていない国では統計的に死亡率が異なっている。実証はこれからだがウイルス感染による重症化を防ぐ効果が高いのかもしれない。日本では1951年から全面的に接種を行っている。BCGは結核予防のためのワクチンで結核菌を弱毒化したものであるが、BCGワクチンが結核以外の疾患に対しても効果を発揮する「オフターケツト効果」を示しているのかもしれない。もし、証明されれば日本に「神風」が吹いて、日本人が守られたということになる。 


(抗ウイルス薬)
COVIT-19肺炎に対する抗ウイルス薬に付いての報告はまだ少ないが、ICUに入室した52例の報告では、23例の患者で抗ウイルス薬(オセルタミビル、ガンシクロビル、ロピナビル)が投与された。ファビピラビル、レムデシビル、クロロキンの3薬剤の効果が期待されている。ファビピラビル(アビガン)はRNAウイルスのRNA依存性RNAポリメラ−ゼを選択的に強く阻害する抗ウイルス薬、レムデシビルは米医薬品大手ギリアド・サイエンシズのエボラ治療薬候補だった。クロロキンは古くから使われている抗マラリア薬。喘息の治療薬であるシクレソニド、膵炎治療薬のナファモスタット、回復者血液に含まれる免疫力を活用した方法も注目されている。歯科でも使うアジスロマイシン(たんぱく質の合成阻害−ヘリコバクター・ピロリの除菌にも使用)も治療薬の候補に入っている。


(感染対策の評価)
 初動が遅れて、すべて後手後手に回った(WHOも含め)。PCR検査を極力押さえた不作為(ドライブスルー検査を推奨してこなかった)、医療崩壊を防ぐためのトリアージ(患者の振り分け)を当初からやってこなかった不作為(医師会の動きも遅かった−本来政府が先導すべきこと)、自粛をお願いした国民への保障をきちんとやらない不作為があげられる。感染症の基本は診断と隔離である。基本を守ってこなかった。それでも諸外国と比べれは感染者・死亡者ともに少ないことの分析もなされていないことが、国民へ不安をあおっている。独自の取材をしないマスコミの責任も重い。医療現場ではN95マスクや防護服が不足しており、令和のインパール作戦と揶揄される。
 適切な手指衛生、個人防護具の適切な着脱、咳エチケットを含む呼吸器衛生が予防の基本といわれるが、リスク因子除去のためのブラッシングと口腔ケア(歯周治療)も加えたい。マスクに代表される生活習慣や医療制度、その充実度(歯科医療含む−日本人は諸外国より3倍歯科診療所に通い、諸外国より歯周病の炎症程度が軽い)、BCGワクチン接種率(?)が感染者、死亡者数を諸外国に比べ低くしているが、科学的、疫学的にものごとを進めなければ対策が完璧なものにならない。

参考文献
1)粟野暢康、出雲雄大:呼吸器内科医が解説!新型コロナウイルス感染症−COVIT-19− 医療科学社
2)高田礼人:ウイルスは悪者か 亜紀書房

   


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