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2018年7月18日
平成30年7月院長のマンスリートーク◆実証分析で歯科医師需給問題を考える
平成30年7月院長のマンスリートーク◆実証分析で歯科医師需給問題を考える
 歯科医師過剰が叫ばれて久しい。人口10万対50人という数値目標に達した1984(昭和59)年から数えると34年になる。
 私は、「歯科医師過剰問題は、どうにもならない状況まで追い込まれてきた。問題点がはっきりしているにもかかわらず、改革を先送りしてきた結果である。歯科医師の急増に薬価配分の誤り(いわゆる「失われた16年」)が重なり、歯科診療所の収入は減少し、取り返しのきかないところまで追い詰められてきている。」と書いてきた。歯科診療所の増加率が、診療報酬の改定率を上回っていては、収入が増加することがないからである。
 需給問題に関しては、歯科医師数や歯科診療所が増加することにより国民の選択の幅が拡大し、診療待ち時間の短縮や診療時間の延長等が可能となり、歯科医療サービスが著しく改善が図られるという意見もあるが、歯科医師の著しい過剰は、質の高い歯科医療を効率的に供給していくことを阻害する要因となり、国家的・国民的観点からも弊害をもたらすという意見もある。現在、数の問題に加え、将来の歯科医療を担う優秀な人材の確保に危倶の念が生じてきている。
 2015年11月18日に開かれた「第3回歯科医師の資質向上等に関する検討会」で、歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ(国立保健医療科学院総括研究官・安藤雄一)は、患者数などを元に推計した2041年に必要な歯科医師数は5,500人不足すると発表した。はじめて、需要が供給を上回るという試算である。
 戦前の歯科医師数は1910(明治43)年に1,125人にあったものが、5年後の1915(大正4)年には2,945人、その5年後の1920(同9)年には6,164人となり、その5年後の1925(同14)年には一躍11,392人となり、その5年後の1930(昭和5年)には16,965人となった。1941(昭和16)年には24,614人(戦前最大値)となる。
 戦後、1946(昭和21)年の歯科医師数は24,273人で3万人を超えたのが1953(同28)年である。1950(昭和25)年に行われた、歯科疾患の罹患状況調査によれば、齲蝕に罹患している者が人口8,300万人中5,972万人、齲歯数は3億8,000万本、歯槽膿漏の罹患者は約2,373万人、不正咬合のある者は約3,105万人という驚異的な罹患状況で圧倒的に歯科医師の数は足りなかった。
 そして、1961(昭和36)年に国民皆保険がに実施されて以来わが国の歯科医療需要は大幅に増大し、歯科医師不足が指摘され、政府は1969(同44)年の国民医療対策大綱の中で「少なくとも1985(昭和60)年までに人口10万対の歯科医師数50人程度の確保が必要」としてその養成を促進することになった。
 1976(昭和51)年の日本歯科医師会の「歯科医療の現状と問題点」には、「1974(昭和49)年7月に行われた厚生省の患者調査によると、1日の通院患者数は105万1,700人、これを基礎にして試算すれば、1985(同60)年には387万3,000人の通院患者数が予想される。実態調査の統計より推定して、歯科医師の診療可能数を1日26人(1974年調査では25.4人)と推定すれば、必要数は約14万人となり、将来増となる数のさらに2〜3倍が必要な数になる。」と書かれた。
 歯科大学・歯学部の定員は1960(昭和35)年度に7校740人、1970(同45)年度に17校、1,460人であったものが、10年後の1980(同55)年には29校、3,360人となっていた。
 1982(昭和57)年7月の臨時行政調査会の行政改革に関する第3次答申を受けて歯科医師の養成数の見直しが行われ、1984(同59)年に人口10万対歯科医師数50人の目標値が達成された。
1986(昭和61)年7月、厚生省(当時)の「将来の歯科医師需給に関する検討委員会」が1995(平成7)年を目途に歯科医師の新規参入を最小限20%削減することを最終意見とした報告書を提出し、1995年度には19.7%の削減が達成された。
 そして、1998(平成10)年5月「将来の歯科医師需給に関する検討会」は、歯科医師国家試験の改善を図り、歯科大学・歯学部の入学定員のさらなる削減を行うことにより、新規参入歯科医師の10%の削減を達成させることや臨床研修の必須化及び高齢歯科医師の稼働の停止等を組み合わせて行うことにより、将来の歯科医師数を適正化するとした報告書を公表した。
 表1に歯科医師供給問題に関する関係団体の経年的な動きをまとめた。

 歯科大学・歯学部の定員は1998(平成10)年2,714人、2013(同25)年2,453人となり、1985(昭和60)年の入学定員に対する削減率は27.4%に達した。歯科医師数は、1989(平成元)年7万人だったが、現在10万人を超えた。将来的には、数年後の11万人弱をピークに緩やかに減少すると予測されている。
 歯科診療所数と歯科医師数の差は、昭和30年代頃には6,500〜7,000が最近では3万5千と開いている。研修医、勤務歯科医として十分な修練を積む機会に恵まれず、早期に開業できないことが関連している。歯科医療の需給を考えるとき、歯科医師数より歯科診療所数の方が、患者の立場からは合理的な数値である。
 この医療需要はいろいろな因子によって左右される。
①一般的な保健(疾病異常)の状態
②一般の保健に対する意識態度の状態
③人口構成
④医療技術の変化
⑤医療の受けやすさの変化
⑥国民経済状態の変化
一般的には次のようにまとめられる。
 Pm=f(B・P・L)・f(s)
Pm:医療需要=B:疾病量 P:人口 L:知的水準 S:財源
 人口10万対歯科医師数は、人口数と歯科医師数の相対的関係を示すに過ぎず、この数値から直ちに歯科医師の過剰を説明できない。人口は確かに歯科医療需要の基本要因であるが、疾病構造の変化、医療技術の変化、国民の健康意識に関する知的水準、国民の経済状態の向上などが相互誘発的に実物的な歯科医療需要を形成する。
 現在の日本の歯科医療市場において、需要・供給の適正値を見いだすことは難しく、活用できる統計資料を用いての事後的な実証分析にとどまらざるを得ない。
 表2に歯科医療の変遷(1969年から2011年)を私が実証分析したものを示す。

 1969(昭和44)年と2011(平成23)年を比較すると、人口は約25%増加するとともに男女の平均寿命も伸び、歯科診療所数が2.3倍になったこともあり歯科医療を受けやすくなり、総受診件数は2.46倍、診療実日数は1.33倍に伸びた。歯科医療費に至っては12.9倍となった。
 就業歯科医師1人当たり診療回数は約半分になったが、今が歯科医師1人当たり1日16人、患者1人当たり診療時間30分と理想的な数値になっている。疾病構造は変化したが、技術が進歩し、国民の健康に関する知的水準も上がり、国民の経済状態も良くなってきて現状がある(1人当たり永久歯処置数が9.0本と多いという問題はあるが)。
 アマルガム充填、抜髄や抜歯、インレー・全部鋳造冠は昭和60年を境に減ってきている(最近は横ばい傾向)が、コンポジットレジン充填や歯周治療(歯科疾患処置は4倍)や義歯修理や前装金属鋳造冠の保険導入が減った分をカバーしている(保険診療費以外に自費の診療費が今は約5,000億円ある)。歯科衛生士の数も42年間で20倍となって歯科医師数の数を上回り、歯周治療への取り組みが増えている。
 歯科界の最重要課題である歯科医師需給問題について、日本歯科医師会は「歯科医師は増加の一途をたどっており、明らかに過剰な状況である。歯科医師の過剰が経営環境の悪化を来たし、過当競争を惹起し、結果として歯科医療の質の低下を招くことを危惧している」という見解で、社会的にもそのように理解され、さまざまな混乱が起きている。
 歯科医師数は「過剰」と言っていたが、最近は診療所数があまり増えない中、かなりいい数値(1歯科診療所1日患者25人、年間保険収入4千万円)に収束してきている。内部には問題(当面は新卒歯科医師の数が医療現場を離れる歯科医師より多い、全員は救えない)を残しながらも、この先20年位はわずかに歯科診療所の患者数は減少するものの、経営的には収入が対前年マイナスになることがないと予測されている。医師より収入は少ないものの、女性歯科医師が増えてくる(将来的に約4割)中、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)がとれる職業として見直されてくることは間違いない。
 私は、歯科医師過剰問題を解決していくためには、まず難問を増やし、新卒受験者の得点分布を踏まえた相対基準で行われている国家試験を「臨床上必要な歯科医学及び口腔衛生に関して、歯科医師として具有すべき知識及び技能について、これを行う」(歯科医師法第9条)とする、正常な資格試験に戻すことが先決とずっと述べてきたが、合格率を含め歯科医師国家試験の見直し(実技試験の復活も含む)を早く行わないと、将来的に国民の期待に添えない事態が発生する可能性が大である。
 歯科医師数の過剰感が払拭されると、志願者が増加し優秀な若者がどんどん入ってくることにより、歯科界全体が明るくなりレベルアップにつながっていく。
 日本歯科医師会のリーダーには、歯科医師需給問題についての現状を的確に把握し、時局打開のための将来を見据えた理念と政策を示していくことが求められる。
   


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